何があったの?#

10月22日、文化勲章をめぐる京都での記者会見で、宮本茂さんが生成AIについての質問に答えました。マリオやゼルダを生んだ人の言葉ということで、英訳が海外のXで一気に広がっています。

話の中心は、タイプライターがワープロになったときと同じ変化が、いまAIで起きているという見方です。宮本さんは「ものを作る」ことと「作業する」ことを分けて考えていると話しました。全体の構成を決めるのが「作る」、穴を埋めて仕上げるのが「作業」です。作業は楽しく満足感があるぶん、「いいものができた」と勘違いしやすい。だからAIが作業を引き受けるほど、「本当に作るとは何なのか」をみんなが考える機会になる、と前向きに語っています。コピーしただけのものは長く残らない、まだまだ我々がやれることは残っている、とも話しました。

なぜここまで話題になったの?#

海外のゲーム好きの間では、生成AIへの反発がかなり強いからです。そこにゲーム界の大御所が前向きな言葉を出したので、驚きと議論が一度に起きました。この発言を紹介した英語圏の投稿は、約1時間半で表示1.4万回、いいね200超え。前日から出回っていた別の紹介投稿も、表示が5万回を超えています。

返信欄では「励まされた」という声と「AIを正当化するな」という声がぶつかっています。また、英語の引用は会見の別々の場面をひとつにまとめている、という指摘も出ていました。日本語ではファミ通や4Gamerが会見の中身を詳しく伝えているので、短い英語の引用だけで判断しないほうがよさそうです。

日本の暮らしにはどう関係するの?#

道具が作業を引き受けると、その人のセンスが表に出てくる。宮本さんのこの見方は、ゲームに限りません。家族のアルバム作り、子どもと遊ぶ自作のクイズ、町内会のチラシ。これまで「専門の人に頼むもの」だったことが、AIを使えば自分でも形にできます。

私たちが気をつけたいことは?#

宮本さんの言葉を借りれば、AIに任せるのは「作業」の部分まで。何を伝えたいか、誰に喜んでほしいかは自分で決める。そこを人が握っていれば、AIはちょうどいい道具になります。まずは身近な小さな作品から試してみると、その感覚がつかめるはずです。